大学地下屋内プールの大空間を支える壁状せい高PC梁

東京世田谷の女子大学キャンパス内にスポーツ体育館と屋内温水プールが一つになった施設がありました。学校内キャンパスの施設整備方針によって、そのスポーツ体育館と屋内温水プールを建て替えて、その場所に高層の教室棟を建て、スポーツ体育館と屋内温水プールを再建する計画を「古橋建築事務所」様が設計監理されることになりました。

そのうち体育館と屋内プールとが一体になった「スポーツ棟」の設計+監理を協力担当させていただきました。

上下に積まれた構成

既存のスポーツ体育館と屋内温水プールは、並列に配置された地上の建物でしたが、再建される建物は、敷地の制約のために地上にスポーツ体育館・地下に屋内温水プールと上下に積まれた構成になりました。

柱の内空間を支える大断面の梁

地面より下に25メートル屋内プールを設けるときに、中間に柱が無く、天井高さが高い大空間となります。

さらにその上の地上に体育館の大空間を載せると、地上の体育館の重量を地下のプールの上部に架ける梁で支えなくてはなりません。

この構成を実現する地下プールの上部の体育館の床を支える梁構造は、特別に大きな断面形状にならなくてはなりませんでした。その梁の大きさは、プールに天井を貼って、その中に隠せる大きさでないくらい大きな形状でした。

梁を隠さずに露出させる

そこであえてこの大型の梁を隠さず露出させることで、地下のプールの印象にもなるようにしました。

変形な大型板梁による印象

長大な空間に架ける大型の梁の断面形状の検討が行われました。

構造荷重を支えるに必要な断面積の範囲で、選ばれた幾つかの形状の中から、梁の厚みの幅を極限まで短くし(薄くして)、その代わりに高さの高い(「せい」が高い)梁が選ばれました。まるで板壁の様な梁がぶら下がる様に、2.7メートル間隔で並んでいます。

地下プールの床面から見上げると、梁は天井から下方に長く突き出して、この地下プール空間の印象を特別なものにしています。

工場で造り現場で組み立てるプレキャストコンクリート

工事が着工される前に、建設を担当する工事会社様から、この梁については、現地でコンクリートを打設方法ではなく、予め工場で製作して 現地に運び込み 組み立てる方法=プレキャストコンクリート工法が提案されました。

工場でコンクリート部材を造るメリットとしては、

  • 空中に架ける梁を組み立てるための仮設材を少なくすることができる
  • コンクリート部材の品質を確実に高く保てる
  • 工期を短縮できる

があり、関係者協議の上、プレキャストコンクリート工法で造られることになりました。

実際に工場で造られている状況の確認にお邪魔しました。

正確に造られた金属製の型枠に、コンクリートが流し込まれて部材が生産されていきます。現地で型枠が組まれ造られる場合に表出する仮設材の跡や材料の寸法的誤差がほとんど有りませんでした。

現地に運び込み込まれた部材は並べられて、太く強いワイヤーでつなぎ合わされて一体になりました。

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