確認申請不要な10m2未満の増築6畳木造ロフト付離れ小屋秘密基地

所在地:横浜市神奈川区
完成年月:2021年
用途:住宅
構造:木造在来軸組工法
規模:平屋建てロフト付き
延床面積:9.94m2
施工:(株)東工

新しくしたいことができた

結婚してお子さん2人を授かりさずかさ、仕事も軌道に乗って来た男性が居られます。突然では無いにせよ、多少のやりたいことが頭の隅に湧いて来たそうです。

  • 猫を飼いたい
  • 誰かを気にせずテレビゲームがしたい
  • 1人でこもれる書斎が欲しい

頭の隅にあった妄想は、やがてご自分の思いになり、ご家族に相談されたそうです。「猫を飼いたい」と。ただ、家族には猫アレルギーを持つ方が居られるのがわかっていたり、相談しても「却下」的な話しになってしまったそうでした。しかしながら、その他にもあった妄想は、現実にしたい気持ちへと変化していったそうです。

皆はどうしてるの?・・・離れ?

そこで、ネットでググって、一体 世の中年男性で、どうしても家の中で「一人になれる空間が欲しくなった時」どうしているかを検索されたそうです。

すると、家の中で居所を見つけるというよりも、家の外に「離れ」を設けてそこに居場所を作っている方々が意外にも多いということに気が付かれたそうです。

今の家の外に居場所を作れば、猫のアレルギーで家族には迷惑を掛けないし、好きなだけTVゲームも出来ます。

そこで男性の肚は決まり「離れを作る」という方向に定まったとのことでした。

自分で造る?

「離れを作る」という肚は決まっても、どうやってそれを実現するかという課題があります。男性はお仕事が工務店さんに近いお仕事で、自分で家を造れる方でした。その状況から「自分で離れを造る」という気持ちになれた訳ですが、だからと言って、直ぐに好きに離れを建ててしまうことにはされませんでした。

以前に工務店として材料を保管しておく場所を、自分の敷地内に建てた時、周囲の住民の誰かに「届出を出さないで建てた建物」として注意を受け、行政からも指導を受けて処理を行った経験があり、今回の離れを注意されることのない「合法的」に設けたい気持ちがあったそうです。

ご相談をいただく

その時点で、設計事務所である当方にご相談をいただきました。

ご希望は、

  • 一人が利用する「小屋」が欲しい(猫と暮らす、TVゲームをする場所)
  • 確認申請届出が不要な規模で良い(10m2未満なら不要と聞いたことがあるため)

との、ことでした。

一人が利用する「小屋」

一人の希望として「離れ」を設けると言っても、可能な限り費用を抑える というテーマがありました。費用を抑えるということは、まずは「規模を(面積を)小さくする」ことが原則です。

日本には「茶室」という伝統建築があり、その広さの限界は「一畳台目」(一畳と3/4畳)の究極的に空間を必要最小限にした茶室があり、例えとしてお示ししました。ただそれでは余りに狭いというご感想になり、面積規模のご相談を進めていくと「確認申請不要な建物」というご希望が絡んだ際、10m2未満 という法的規模の規制値が話題に上がり、10m2未満=6畳(9.91m2)を最大規模にするという目標が定められました。

確認申請しないで建てられる離れ小屋にする

確認申請をしないで建てられる建物として、10m2未満であれば宜しいという解釈をされている方が居られますが、それは間違いです。確認申請の届出が不要で建てられる10m2未満の建物の条件は、

  • 合法的な建物が既に建っている敷地内で(確認申請が行われて確認済書があり、工事完成後に検査を受けて合格し検査済書が発行されている建物がある敷地内で)
  • 増築しても、建ぺい率や容積率をはじめとする規制内で増築することが出来て
  • 敷地が都市計画法指定の防火地域もしくは準防火地域 外で
  • 延べ面積 10m2未満の規模の増築

の、場合に限ります。上記の規制条件は全て合致しないといけません。

つまり建物が建っていない更地の敷地に、10m2未満の建物を新築する場合は、確認申請が必要となりますので注意が必要です。(本来は所謂「イナバ物置」さんも上記の条件外の場合には確認申請が必要です。以前 行政の計画で、既製品物置を設置するだけでも、確認申請を行った経験があります)

今回、母屋となる住宅は「検査済書」も発行されていて、その後に変更が無いと認められたため、「敷地内に10m2未満の小屋は増築出来る」と判断したものでした。

「小屋」の設計

敷地の庭に10m2未満=6畳の広さの離れを建てる設計が始まりました。

三方を壁で囲い、一面がガラス張りのシンプルな構成です。

確認申請不要な10m2未満の増築6畳木造ロフト付離れ小屋秘密基地

しっかり構造設計も行い、設計が完了しました。

自分で造る(自分で発注する)

建主様はご自身が工務店さんに近い会社であったことから「自分で造りたい」というご発想でした。これは後に話しが出てくる「部品を買って、自分で組み立てる」ことを提供されたいために、まずは自分で材料を発注して、出来る限り自分で組み立ててみる実験でもあるそうです。

そこでお知り合いの大工さんを初めとする、各工種の方々に相談されて、材料を自ら発注(注文)されて、ご自分で組み立てられないかを相談されて、工事が着手されました。

コンクリート基礎

はじめは小屋の最下部のコンクリート基礎です。これは建主様ご本人で造ろうとしましたが、中々段取りが取れず、専門の方に依頼されました。

確認申請不要な10m2未満の増築6畳木造ロフト付離れ小屋RC基礎

木造骨組み

基礎の上に載るのが、木造の骨組みです。

これは最近の木造骨組みのほとんどが、工場で製材・切断・加工されて現地に運ばれて組み立てられる仕組みが取られていて、その精度も非常に性格であることから、木造材料工場=プレカット工場さんに発注されました。

上棟

工場で製材・切断・加工された木造骨組み材が現地に搬入されて、建主様と大工さんで組み立てられました。正に「上棟」しました。

確認申請不要な10m2未満の増築6畳木造ロフト付離れ小屋上棟

屋根(金属屋根)

上棟後、すぐに屋根が葺かれました。屋根は平らに近い片流れの屋根なので、金属製のガルバリウム鋼板材を設置する(葺く)ことにされました。

 今、ここまで出来ています。