火災事故の発生で死傷者を出さないための建築基準法改正
最近、複数の死傷者を出してしまう火災事故が建築物で発生しています。建築物における火災事故で被害が発生する原因に、建築物が建築基準法等に沿わず建てられていたり、使い続けられていることがあります。
この状況で国は建築基準法を改正し、平成28年6月から新たな制度を導入して、建築物における災害事故で死傷者が出ないことを目指しています。
つくる前も、使い始めても適法な建物にするために
建築基準法は、建物を建てるときに安全な建築になるための技術的指針を定め、確認申請や中間検査、完了検査などの手続きを経ることで建築物が使い始める前の適法性チェックを定めています。
一方、建築物が使い始められた後も、適法で安全な建築物として継続維持し続けることも大事なことであることから、定期報告制度を定めて建物所有者様に定期的調査を行い、行政に報告することが義務づけられています。
平成28年6月の法改正では、不特定多数の方が利用する建築物に設けられた防火戸や防火シャッターなども定期調査の対象となったため、横須賀市大矢部の物販店舗も定期調査の対象となりました。(物販店舗で3階建てのため)調査は一級建築士をはじめとする資格者によるため、調査し、報告書を作成し行政役所に届け出ました。
定期調査報告が必要な建築物・昇降機(エレベータ)・防火設備
※国土交通省ホームページより引用
実際の調査
今回行われた神奈川県横須賀市の実際の調査では、下記の点が是正を必要とする部分がありました。
- 防火扉が外されている・・・復旧をお願いしました
- 階段内に物品がある・・・撤去をお願いしました
- 防火シャッターの感知器が作動しない・・・交換をお願いしました
- 排煙窓の操作ボタンが見えない・・・見えるように手前の商品を整理することをお願いしました
どちらも決して悪気はないのですが、火災が起こってしまうと延焼や死傷者を出しかねないことなので、是正をお願いしました。
検査後、調査報告書を作成し行政に報告し受理されました。
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