木造2階建て賃貸アパートのメンテナンスの掛からない屋根外壁外装材内装材

木造2階建て賃貸アパートを東京の目黒区の住宅街に建てる計画で、完成後のメンテナンスに費用をなるべく掛けないための屋根や外壁の外装材、内部の内装材について、出来る限りメンテナンスの掛からない材料を選びました。

大家さんの建物完成後の出費

建物完成後、賃貸経営が始まると大家さんとして毎月出費のある内容のほかに、以下の場合に建物のメンテナンスに費用がかかります。この費用は高額で、常に家賃収入のうち、一定の割合を決めて貯金をしておく必要があります。

  • 入居者さんが立ち退かれた後の内装材の取り替え
  • 水回り設備の経年劣化による取り替え
  • 屋根や外壁の経年変化劣化による取り替え

などがあります。

設計者として出来る「メンテナンス費用の掛からない建物」にするための工夫をしています。

出費を抑える工夫

故障の起きない建物の形にする

はじめになるべく故障の起きない建物を目指します。

それは可能な限り単純な形、すなわちジグザグや斜め、入り組んだ形にしないことです。

単純な形は作りやすい、入り組んだ形は作りにくい、となります。当然単純な形は地震に対しても強くなり、入り組んだ形は慎重に設計しないともろい建物になります。

建物を故障させる原因に水がありますが、単純な形は水に強く、入り組んだ形は水が溜まりやすく故障しやすい原因となります。

経年変化の少ない屋根・外壁 外装材を選ぶ

昨今 建築外装材として採用されているモノは、非常に高品質で、永い経過にも耐え得る材料がほとんどです。(逆に品質に信用が出来ないモノは直ぐに淘汰されています)

木造2階建て建物の屋根材、外壁材として、その実績や製作方法により 完成後、改修メンテナンスを少なく出来る材料は、以下のモノと考えています。(落石や固形物の飛来による 災害や事故などによる損傷を除きます)

屋根

  • ガルバリウム鋼板
  • スレート

外壁

  • サイディング
  • ガルバリウム鋼板曲げ材
  • モルタル+塗り壁    など

実際の材料選定は、大家さんのお好みやご予算によって定まります。

大家さんは、屋根をスレート、外壁をサイディングを選ばれました。

修繕費を抑える内装材・水廻り設備

内装材や水廻り設備も、外装材同様に、汚れ難く故障の少ない材料や機器が揃っています。取り替えや修繕が頻繁に起こるものなので、高額な材料は使用しないで、汎用品の中から選ぶことが、下地も含めて修繕費を抑える結果につながると考えています。

  • 床:量産品のフローリング、プリントシート
  • 壁:ビニールクロス、メラミン化粧板
  • 天井:ビニールクロス
  • 水廻り設備:特注造作ではなくメーカー既製品

木造賃貸アパート吹抜高天井トップライト

毎年点検をする

屋根や外壁、窓サッシの外装材では、伸縮する素材の屋根シートやパッキン、目地シールなどの経年変化で劣化してしまう材料はまだ使用しないとなりません。結局のところ、屋根や外壁、窓サッシの外装材からの雨漏りなどの故障は、シートやパッキンやシールなどの劣化によってひび割れし、雨水が浸透漏水することが多いです。

そこで、賃貸建物の全体修繕を行うか行わないかの判断をするにあたり、前もって一年毎に目視検査を行なって、屋根や外壁、窓サッシの外装材におけるシートやパッキンやシールの経年変化劣化の具合を検査しています。

 →関連記事「賃貸マンションの一年毎点検による屋根外壁窓サッシ経過診断検査」

 →関連記事「賃貸マンション大規模改修工事を行うための定期検診と見極め判断」

すると突然に改修工事を行わなければならなくなる、厳しい状況になることが避けられて、事前に費用や工事時期などの準備ができる様になります。

改修が必要なタイミングを延長する

毎年 検査を行なっていると、経年変化劣化によるパッキンやシールの取り替え時期が予想できる様になります。

劣化の具合を見ながら、直ぐに改修工事をしないで先延ばしすることも良くあります。大家さんの事情や予算の確保、工事者の都合も考慮に入れる場合があります。

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