工場事務所オフィス外壁材ALC板と内断熱材吹付発泡ウレタン

建物の断熱効果は最近では飛躍的に向上していて、その効果が一般化しています。

それは防火性能の向上による外壁材の品質向上もあると思います。ただし、建物の断熱効果はひとつの材料だけで成り立つものではなく、複数の材料の断熱性能が複合されて構成されているものです。

鉄骨造の外壁ALC

構造骨組みが鉄骨造の場合、外壁は構造材ではないモノによって、なるべく軽くて 硬くて 水をはじく 燃えない 板材でふさぎます。軽くて硬い板材なら木材のベニヤでも良いですが、これでは燃えやすく、水分も吸ってしまいます。

この機能に加えて断熱性能もある板材で「ALC」という材料が最近は良く利用されています。

ALCは無機質材を原料にしているため燃えない材料(不燃材料)として利用されていて、内部に無数の気泡を含んでいるので重さはコンクリートの約1/4で、断熱性能もコンクリートの約10倍です。

ALCは工場で製作されて、現場で組み立てられます。ひとつの材料で求められるほとんどの性能を発揮できるので、鉄骨造の外壁や、内部の防火区画の壁に良く利用されます。

鉄骨造外壁ALC板

外断熱と内断熱

建物の断熱効果を発揮するために、理想的な断熱方法は、建物の屋根や外壁の外側に断熱材を設置する「外断熱」です。外断熱ができるのであれば、構造骨組みに外気温が伝わらないので効果的な断熱が可能です。

しかしながら外断熱は現段階では課題が多く実現が困難な場合があります。

  • 断熱材が可燃物なので 外壁で防火性能を確保しなければならないときは採用できない
  • 屋根・壁・地中の全面を外断熱方法で連続させないと効果が下がる

今の技術では、安くて燃えなくて断熱効果が高い断熱材でお薦めできるものはありません。

また建物の各部の造り方として、屋根・外壁・床下と切れ目なく外断熱を連続させることは困難です。

よって現在では内側と一部外側の断熱方法を採用しています。屋根面と外壁面の全面に断熱材を吹き付け、床は床下に敷き込む方法にしています。

発泡ウレタン断熱材

壁や屋根面の断熱材は、施工性の容易さから布団のようなグラスウールが採用されることが多いのですが、グラスウールは経年の変化によって萎んでしまったりして断熱効果が薄れることが多々あり、建物の改修や解体されたときに見て来ました。

屋根断熱材発泡ウレタン屋根に発泡ウレタン断熱材が吹き付けられた状態(壁は未だ)

そこで私達が設計をさせていただいている場合は、出来る限り発泡ウレタンという材料で施工をお願いしています。発泡ウレタンは発泡スチロールと思っていただくとわかりやすいと思います。ただ成形された板材を壁や屋根に貼るのは困難な状態なので、外壁や屋根が組み上がった現地で液体のウレタンを壁や屋根に吹き付けると発泡して膨らむ材料です。壁や屋根は凸凹があり、隅々まで行き渡たらせ、断熱効果もグラスウールと比べると高く、さらに防湿効果も高く、また経年によって変形したり萎んでしまう心配がないので採用しています。

工場事務所オフィス鉄骨造内断熱材壁面に発泡ウレタンが吹かれ、内側に内装仕上の下地間柱が建てられている

窓サッシの断熱効果

外壁には採光や通風のために窓が開けられます。外壁部分には内側から断熱材を施したので、開口部分である窓も断熱をしないと効果が上がりません。

建物の開口部である窓は、外部の温度を内部に伝えてしまう弱点とも言える部分です。

最近ではガラスが2枚になっている(複層ガラス)サッシは特別なものではなくなり、断熱効果の高い窓が通常になりました。そのため窓サッシの結露も見ることが稀になりました。

 

壁面や屋根面の発泡ウレタン断熱材と開口部の複層ガラスサッシで高い断熱効果を発揮することが出来ました。引越し後、朝一番と夕方に差し掛かってからの空調で充分で、日中は空調エアコンを切っているくらいだと建て主様からお聞きしました。

→「お客様の声」が掲載されています

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