和風数寄屋住宅和室床の間の床柱落し掛け違い棚寸法

既存の床柱を再利用するか新たな材料か

和風二世帯住宅の建替えで、床の間のある和室応接間について、建て主様が悩まれたのは、

  • 床柱を既存建物の床柱を継続して再利用するか
  • 新たな床柱に取り替えるか

の選択でした。

既存のお住まいの床の間

既存の床柱は黒檀(こくたん)という材種で、既存の天井高さ2.7メートル一杯に立っていました。ただし中間に長押(なげし)が挿さっていた箇所は掘り込み加工がありました。

黒檀の床柱と新たな床柱とは、各々相応しい内装の色調が変わるので、床柱の選択と同時に内装の色調の選択でもありました。最終的に完成予想図パースを利用して検討して下さった結果、既存建物の床柱を再利用する方針を選ばれました。

建主様は黒檀の床柱だけが黒々として、周りの素材の色と合わないのを心配されていましたが、床の間の框や付け書院の棚の色調を落ち着いた色にすれば、調和できると確かめられたので再利用できることを大変喜んでいただきました。

和風二世帯住宅和室床の間内装デザイン既存の床柱を再利用した場合の完成予想パース

新たな床柱にした場合の完成予想パース

床の間のかたちと落し掛けの高さ

床柱の見せ方で、床柱を床の間の手前の最前にして天井まで通す形にするか、床柱の手間に落とし掛け(天井からの下がり壁)を設けるか検討しました。今回は格式を重んじながらも砕けた数寄屋の雰囲気の意匠をご家族が好まれましたので、落とし掛けのある床の間の形が選ばれました。

床柱の位置と違い棚のかたちと落とし掛けの高さ

格式を崩した数寄屋の意匠を選ばれましたので、床柱の位置、違い棚の形、落とし掛けの高さは書院造の定式に従わず自由に定められます。

床柱が既存建物で長押が取り付いていた場所にあった掘り込みを避けられる高さで、違い棚の襖扉の形を正方形に出来る場所に、床柱の位置と落とし掛けの高さが定められました。

付け書院が庭側に突き出る形にしましたので、大変立派な床の間になれました。

突き出た書院により幅の広い床の間になれました

落し掛けの長さの強調で奥行きのある和室空間になれました

違棚に太鼓張りの扉を付けて書棚に利用しています

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