物販店舗用途変更確認申請が可能成立するかの確認と手順番流れ

1.用途変更が可能かどうかの事前調査

千葉県船橋市の京成船橋駅に隣接する商業ビル(現状は物販店舗1社が占有するRC造3階建)を、各階別に個別に利用できる飲食店舗にすることになりました。建物所有者様が変わったことによります。

その場合、建築基準法上、使い方が変わる→用途が変わる ことになり、「用途変更」という確認申請を行わなければなりません。

 →関連記事「用途変更を届け出ないとどうなるか?」

しかし新たな使い方=用途によっては、既存建物の構造や避難設備の内容が合わず、用途変更が叶わない場合があります。

そこで新しく建物所有者になって用途変更をしたいと思った施主様は、用途変更の手続きを始める前に、まずは用途変更が可能かどうかの事前調査を行うこととしました。

用途変更には下記の内容が必要になり、それぞれの有無と内容を確認して、用途変更が可能かどうかを確かめました。

1-1 建築確認申請と完成検査済みの確認

そもそも建物は建築基準法による届け出「確認申請」を経て建てられなければなりません。その際に設計内容が建築基準法に沿っているかを確認した「確認済書」と、工事完成時に設計図通りに建物が出来ているかを確認する工事「検査済書」が発行されているかを確かめます。

今回の建物は検査済書が発行されていました

この「検査済書」が発行されていないと建物は未だ「工事中」という扱いになり、建築基準法上は建物は未だ存在しない扱いになり、そもそも「完成していない建物は、次の新たな用途に変更することなんて出来ない」と先に進まないことになります。特に1990年代以前より前の建物で「検査済書」が発行されていな場合が多く、用途変更手続が容易に進まない経験を多々踏みました。

また「検査済書」自体を紛失してしまって、検査を受けたかどうかの事実が不明なときは、管轄する市町村の建築指導課の「建築台帳」を閲覧すると建物の「確認済書」と「検査済書」の発行の有無が記載されていて確認が出来、書面が発行されている場合は発行証明書をもらう事が出来ます(有料)。

今回の建物の検査済証明書です

1-2 完成時の図面の有無

「検査済書」が発行されている事が分かった建物で、「検査済書」が発行された時点の建物の形を確かめるためには「完成(竣工)図面」が必要です。

その図面内容に基づいて、

  • 現在の建物が完成時と同じ状態かどうか確かめる
  • 用途変更で必要な工事の可・不可が確かめられる

ことが出来ます。

今回は確かな「完成図」がありました。

1-3 現地建物確認

「検査済書」が発行されたときの「完成図」に基づいて現地建物を確かめました。「検査済書」発行後、増築や改築をしていないかどうかの確認です。

確認の結果、元の建主様が行なった付け足した部分がありましたので、用途変更確認申請提出までに付け足した部分を「完成図」に戻すよう除去していただくことになりました。

用途変更が法的に可能かどうか検証する

既存建物が「検査済書」が発行された時点の状況に戻ることが確かめられたあと、そもそも既存の用途から新たな用途に変更する場合に、

  1. 構造耐力
  2. 避難設備
  3. 消防設備

が適したものになれるかを検証します。用途変更なので建物外形の形や面積に変更がないという前提です。

1-3-a 構造耐力

使い方=用途が変わると、そちらで利用する人々の人数や内装家具の様相が変わるので、単位面積あたりの重さ=荷重が変わってきます。建築基準法ではその荷重を用途別に区別していて、用途によって最低荷重を定めています。

(1)住宅 :約180kg/m2
(2)事務室:約300kg/m2
(3)教室 :約230kg/m2
(4)店舗 :約300kg/m2
(5)劇場等:約300〜360kg/m2
(6)車庫 :約550kg/m2

今回の用途変更は「物販店舗」→「飲食店舗」への同一床荷重の変更なので、構造的に問題なしと判断しました。

もし既存建物より重い耐荷重が必要な用途への変更の場合は、大掛かりな構造補強などを行うか、具体的な間取りと使い勝手・収容人数を示し、新たな荷重が当初の構造耐力と同等か下回ることを示さなければなりません。

1-3-b 避難設備

避難設備とは、万が一建物が地震や火災などに見舞われたときに、中にいる人々が安全に地上外部に避難できるための、

  • 避難階段
  • 階段までの距離
  • 廊下の幅
  • 排煙窓
  • 内装制限
  • 防火設備
  • 非常用照明

を言い、法律や条例で詳細に規定されています。

今回の用途変更は「物販店舗」→「飲食店舗」への変更で、各規定に問題なしと判断しました。

1-3-c 消防設備

建物は建築基準法以外に消防法の規定も受けなければなりません。消防法は建築基準法で定められた避難設備とは別に、災害時に内部で逃げ遅れてしまった方の避難設備や、消防活動のための設備設置の基準を定めています。

今回の用途変更では、用途を変更することによる変更対応は無かったのですが、建物利用者が1社(1店舗)から3社(3店舗)へ変わることが前提だったので、消防設備の多少の改変が必要でした。

2.関係法令の役所窓口調査

事前調査で用途変更がほぼ成立することを確認した後に、さらにその確認のため、関係法令の担当役所窓口に問い合わせをしました。

  • 建築基準法・・・・・UDI確認検査機関
  • 消防法・・・・・・・船橋市消防署予防課
  • まちづくり条例・・・船橋市役所
  • 中高層条例・・・・・船橋市役所
  • 屋外広告塔・・・・・船橋市役所

最終的な申請図書はまだない状態なので、、、、

3.既存建物図書と申請図書の整理

3-1 申請書作成

申請書は、既存建物の完成時の図面と、今回変更する部分の表記がある図面を揃えます。変わる部分の表記も重要ですが、変わらないことを表す記述(例:耐荷重が変わらないという構造見解書面)も重要です。

3-2 申請書提出

既存建物の完成図と今回の変更図そして耐荷重の安全確認書面を揃えて、民間の確認検査機関であるUDI に申請書を提出しました。UDI で内容が確認されると、船橋市の消防署予防課に送られ審査されます。消防署の同意が得られると、UDI に返ってきて確認済書が発行されます。

3-3 確認済書発行

無事、確認済書が発行され、建物所有者様にお渡しすることが出来ました。

4.工事

確認済書受領後、工事が着手されています。是正工事から始まり、変更工事が行われる予定です。(現状ここまで)

  • 是正工事
  • 消防設備設置届
  • 工事完成
  • 工事完了届
  • 消防設備使用開始届

5.検査

 

◆「船橋商業ビル」用途変更

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