店舗建物の用途変更確認申請に関連する法律条例規制基準

既に建っているの建物の使い方を変える場合、建築基準法の用途変更の申請手続きが必要です。加えて、下記の法令も申請時には関連して規制が掛かる法令で、変更する内容が規制に抵触する場合には申請届出をする必要があります。

  • 建築基準法
  • 建築県(市町村)条例
  • 福祉のまちづくり(バリアフリー)条例
  • 中高層条例
  • 消防法

船橋市の京成船橋駅に隣接する商業ビルは、既存が物販店舗で、そちらを飲食店舗に変える計画です。

建物の所有者様の深い理解により、まず用途変更が成り立つかどうかの確認を、それぞれの法令毎に行って、調査した後に可能であれば次の手順に進むことを承諾していただきました。

なお、規制緩和により、当該用途変更の部分が200m2未満の場合には、用途変更の申請は不要になりました。

建築基準法

法第6条の規定により確認申請が必要であることを確かめて、変更となる部分に対する説明と、変更が無いという説明をするように求められました。

相談先は民間の建築確認検査機関のUDI です。

なお、建築基準法の確認申請を審査する機関は民営化されて、確認申請のほとんどは市町村の役所には出さずに民間の機関に届け出ることが多くなりましたが、それ以外の法令は各市町村の担当役所に申請をしています。

建築県(市町村)条例

建築に関わる法令には、国が定める建築基準法と、各都道県や市町村が定める建築条例があります。条例自体は最近は各自治体のホームページに掲載されていて、役所に行かずとも条例が手に入り読めます。

条例は建築基準法に付け加えた規制があって、関わる内容を確認しますが、読み込んでも不明な点がある場合が多く、最後は窓口に出向き規制を確認します。

船橋の商業ビルでは今回規制はなく、届出は不要であることを確認しました。

福祉のまちづくり(バリアフリー)条例

身体に不自由がある方でも建物を支障なく利用できるように、新築する場合に、

  • 出入口
  • 通路
  • 階段
  • エレベーター
  • トイレ

などについての形状を定めているものです。

今回の船橋の建物は、規制に沿うためには造り替えないとならない部分があるので、そこは免除されて、建物店舗の従業員による対応をするという前提を確かめて承諾をいただきました。

中高層条例

駅の周辺などの建物が密集する地域では、建ぺい率・容積率を最大限利用して建物を建てます。すると、例え法令を遵守しても周辺どうしの紛争やイザコザが起きます。

困った周辺の人々は役所に相談に押し掛けます。役所は仲介に入りますが、どうも上手く解決しない。そこで「中高層条例」と呼ばれる規制を設けて、「建物が密集する地域で新築する場合は、周囲住民の理解を得て計画を進める」ということにしました。

今回の船橋の用途変更では、建物外部側の変更が全くないことを役所担当窓口に出向いて説明すると、周囲住民への説明や届け出が不要であることを確かめました。

消防法

建物にはその形に関わる基準の建築法令の他に、災害時の、

  • 利用者の更なる避難方法の確保
  • 初期消火の消火設備設置
  • 消火活動のための建物設備設置

を定める消防法があります。

申請は、順に

  • 確認申請(建築申請に併せて申請)
  • 消防設備設置届(各設備を設置する前に申請)
  • 消防設備使用開始届(設置工事完了後に申請して検査)

を届け出る必要があり、使用開始届の現地検査合格後、建築の完成検査済証が発行される仕組みです。

窓口は各地域消防署の予防課という部署になりますが、しばしば他の法令である建築基準に対しても追加指摘をされることがあります。

船橋の商業ビルの用途変更では、建物の間取りは変わらなくとも、物販店舗から飲食店舗への用途変更により、収容人員や火器使用、各階独立営業などの点が変更となり、消防設備の変更や追加が必要になりました。

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