物販店舗建物を飲食店舗賃貸物件に用途変更確認申請

用途変更とは?

千葉県船橋市の京成線船橋駅の直近に建つ商業ビルは鉄筋コンクリート造地上3階建の建物で、元々物販店鋪として建てられました。今回建物所有者様が変わり、新しい所有者様の意向で飲食店舗に変更することになりました。

この場合、建物の形は変わらずに、単に入居している店舗の業態が変わるだけです。

ただし、新築建設当時「物販店舗」建物種類であったものを「飲食店舗」に変えるときは、建築基準法 第6条の規定による確認をするための申請を届けなければなりません。

それは当該建物(の全部もしくは一部)の内容(法的には「用途」といいます)が変更された後に「特殊建築物」(≒不特定多数の方々が利用する建物の種類)になる場合は、

・構造体の耐荷重
・災害時の避難設備
・消防設備

などが、新しい使い方(用途)に即しているかを確かめなければならないのです。

今回は「飲食店舗」が建築基準法上の「特殊建築物」に該当するため「用途変更」の届出が必要になります。変更する用途が「特殊建築物」でない場合(例:事務所・診療所など)は届出は不要です。

 →関連解説記事「用途変更が必要な特殊建築物とは?」

用途変更を届け出ないとどうなるか?

万が一の事故や災害の場合に、例えば、

  • 大地震
  • 火事
  • その他の災害

などが起こって被害が出てしまったとき、例えば、

  • 地震で建物が壊れ怪我をした、財産が壊れた
  • 地震や火災が起こって避難しようとしたときに
    本来あるべき設備等が無かったり故障していて避難できなかった

などの事故になってしまい、その責任が問われて建物所有者が、

  • 刑事事件として追求される
  • 保険金が支払われない

などが考えられます。

物販店から飲食店に用途変更

用途変更の手続では、以下の構造・避難設備・消防設備が新たな用途に適しているかを確認する必要があります。既存のままで良い時と、改築を行って新たな用途に適した建物にしなければならないときがあります。

構造

新築の構造設計を行う場合、特別な重さのあるもの以外は、前提条件として建物の用途別に耐えられる荷重が設定されています。例えば、

(1)住宅 :約180kg/m2
(2)事務室:約300kg/m2
(3)教室 :約230kg/m2
(4)店舗 :約300kg/m2
(5)劇場等:約300〜360kg/m2
(6)車庫 :約550kg/m2

と建築基準法では定められています。

今回は、物販店鋪→飲食店舗なので条件が変わらないので荷重条件の変更は不要で改修や補強が不要でした。

条件として設計荷重より新しくなる用途の荷重が大きくなる場合は、部屋の利用方法や間取りを示し、具体的な荷重計算を行って、新しい用途の荷重が当初の設計荷重を上回らないことを示して確認を得る場合もあります。

避難設備

地震や火災時に建物内部にいる人が安全に道路まで避難できるために、様々な避難設備の規定があります。

  • 避難階段(階段の数、幅など)
  • 階段までの距離
  • 廊下の幅
  • 排煙窓
  • 内装制限
  • 防火設備
  • 非常用照明

今回は大きな改変がなく、既存の設備そのままで問題無いことを確認しました。

消防設備

今回は飲食店舗になるので、厨房における火器使用する部分を示すことが必要ですが、申請をする時点ではテナントは決まっておらず、内部の間取りも不明なので、各テナントが決まり次第 各々で示して消防署予防課の承諾を得ることとしました。

物販店舗から飲食店舗に変わることで、部分的な収容人数の設定が変わり、避難口誘導灯の仕様変更や避難器具の追加設置の指導がありました。

用途変更が出来る条件

上記の構造や避難設備、消防設備を整える方針は示たとしても、用途変更を行う場合、まず既存の建物が法的に健全なものでないと意味がなく、既存建物の不適合部分を現在の建物所有者様が全てに対処する意思があったとしても、合法的に用途変更が行えない場合があるので、事前に十分な調査と確認が必要です。

そこで今回は本格的な用途変更申請の業務に着手する前に、以下のような内容の確認作業をさせてもらい、進めることができました。

(a)建築確認と完成検査済み

・既存建物の設計図(完成竣工図)および構造計算書が残っているか?
・確認申請が行われ、「確認済書」が発行されているか?
・工事完成時に「工事完了検査」を受け「検査済書」が発行されているか?

この「検査済書」が無いと、法的には「建物は完成していない」こととなり、新たな用途変更などの申請届出は困難を極めます。

今回は検査済書が発行されていることを確認しました。

(b)検査後に増改築改造をしていない

・「検査済書」が発行された建物に対し、無届けで増築や改築を行っていないか?

(c)改造部分を復旧する

・(b)で増改築改造が認められる場合、当初の「検査済書」が発行された時点の状況に戻せるか?

(d)構造荷重が上回らない

・新たな用途が、元の構造設計の荷重条件を上回らないか?

(e)建物所有者様の理解と覚悟

・申請や届出を行なっている途中で、はじめに予想できないことが起きる事が多々あり、その様な不測の事態に対し、時間・予算などの面で、理解を示してくださるか?

用途変更という意外にも建物を何も変更しないのに、届け出をする費用や時間が掛かりその間の賃貸収入が少なくなったり、予想外の追加工事が必要になったりする予算や時間に理解を示してくださらないと実現できません。

今回も、各条件が揃い、建物所有者様のご理解も得て、申請が行われ、無事確認済書を受領することが出来ました。

◆「船橋商業ビル」用途変更

関連解説記事リンク—用途変更など申請手続き—


申請届出手続きの無料相談・お問合せ

北島建築設計事務所の実績解説をご覧いただき、誠にありがとうございます。北島俊嗣の四半世紀を越える設計業務経験に基づいた設計実績解説は、お客様の家づくりや建物のお悩みの解決にお役に立てたでしょうか。


設計業務で蓄積させていただいた、確実な法的届出の知識や経験 などを存分に利用していただくことで、お困りの課題を解決して建物の正しい活用を実現して下さい。


ご相談は無料です。ご相談をいただいても直ぐに費用は発生しません。費用が発生する場合は事前にご説明し、ご納得いただいてからになります。ご相談には責任あるお応えをさせていただきます。


お問合せは、相談フォーム(下のボタン)から、または電話、メール、どちらでも構いません。ご相談は無料です。


電話:045-212-2547
メール:info@kitajima-architecture-design.com
(タッチして つながります)


無料相談・お問合せ