皮膚科クリニックの医療複合建物モールへ移転内装設計工事

横浜市神奈川区で開院診療されていた皮フ科クリニックは、建物本体の賃貸借契約のご都合で、退去移転することになり、複合ビルに移転されることになりました。

新たな場所におけるクリニック内装設計をさせていただきました。

クリニックビルの一区画への移転

既存のクリニックに比べて移転する場所は面積的にも、容積的(高さ的)にも広く大きな場所空間でした。

内装工事着手前は、所謂スケルトンの状態で、床は20センチ下がった高さにコンクリートスラブ床があり、周囲の壁は断熱材が充填されたところまで、天井は屋根の裏面(薄い断熱材)が見えている状態でした。

内装工事を行う際の想定天井高さは2.7メートルでした。床下配管スペースも含め、内装設計・工事の自由度はこの上ない良い環境でした。

クリニックの間取りプラン

今回のクリニックの間取りプランの土台は、杉田先生が自ら作成されたものでした。そちらを土台に、実際の壁の厚みや扉の取り付け方、電気設備や水廻り設備の設置を考慮して、平面図が整えられました。

出入口手前の枠付き手動遮光ロールスクリーン

患者様が出入りする玄関自動ドアの外側は、内部廊下になっていて、他の医院が並び繋がっていています。

クリニックが休診しているとき、建物の内部廊下からクリニック内部が伺いしれないようにガラス窓の内側にロールスクリーンを設置しました。

天井が高くロールスクリーンの長さが長くなることと、左右の脇から中が覗かれないように、左右枠にガイドレールを付けて、レールに沿ってロールスクリーンが上下するような仕組みにしました。

来院された患者様の手洗い台

来院された患者様が手洗いを行う手洗い台の場所について、どちらに設置するか検討されました。

条件としては、

  • 待合室から洗面台が見えること
  • トイレの直近にあること
  • 受付カウンターから見えること

でした。

様々な場所を検討した結果、位置が定まりました。人目から離れた場所にある手洗い台は、すぐに汚れる傾向にあることと、受付から目視できることで汚れを見ればすぐに清掃ができることを考慮されました。汚れは時間を経たずに除去すれば簡単に清掃できるからです。

壁面開口の受付カウンター

患者様が診療受付と診療費精算を行う受付カウンターは、待合室とスタッフルームを仕切る壁に開口を開ける形のカウンターが設けられました。

応対するフタッフ様は2名の前提で左右に離れていて、カウンターの中に2箇所窓が空いている形態です。この受付カウンターの形態についても医師先生ご本人から具体的なご指示をいただいたものです。

待合室の汚れにくく傷付き難い壁

待合室の仕上げ材料は、汚れにくくなるようにするご希望で、

  • 床:塩化ビニール製シート床材
  • 壁:高さ90センチまでをメラミン化粧板材

として、当初の内装状態を長く維持できるようにしました。

幹線道路自動車往来騒音の遮音防音

建物の直近に環状線自動車道路が往来しており、その自動車走行の騒音がクリニック内に振動して来ないように、道路に面する壁面を防音遮音性能のある壁面にしました。

工事開始時にあった壁面から離して壁面を形成する下地棒柱(軽量鉄骨下地 LGS)を立てて、棒柱の間にグラスウール吸音材を充填して、石膏ボードでフタをしました。

外壁面にくっ付いている内壁には、外部からの騒音が振動として伝わります。その振動(音)をそこまでで止めるために、内壁に触れないように下地棒柱を立てて内部壁を形成して、さらに伝わる振動をグラスウールで消音させるようにしました。

各室のエアコンと排水

各室の空調環境は、各室ごとに独立したエアコンを取り付けることにされました。理由は、

  • 各室の人口密度が変容するために、一律の温度設定ではなく、個別に温度設定が出来る仕組みが良い
  • 一台ずつの器具の費用を抑える
  • 器具がいつ壊れても複数の器具を設置することでエアコン空調がカバーできて診療に影響を及ぼさないようにする

というお考えのもとに壁掛けの器具を広い部屋には複数台設置することにしました。

また、エアコンは室内の湿気を除去するため、器具から水が排出されます。その水は排水管に連結して排水しなければなりません。今回は床下に配管スペースがあるために、まず壁掛けの器具から壁内部に埋め込んだ排水管を通し、その排水管を床下の排水管につなげて排水を行うことが出来ました。

換気扇設備の強化

内装の設計と工事が行われた時期は、新型コロナウイルスが流行していた時期で、感染拡大防止と将来も必要とされることを鑑みて、換気設備を各室に設置して換気機能が充分になるようにされました。

排気したり給気したりするダクトもその寸法が大きくなり、天井裏に巡らされました。天井裏の高さも確保がされていたために可能になりました。

将来配線対応の事前予備配管ー追加配線用準備配管コンセント

電気を利用する診療器具や通信・パソコン・映像機器は年中発達更新されていて、実線のケーブル配線も種類が変わったり、追加の器具が必要になったりしています。

診療室においてもそれは顕著で、その更新に対して随時取り替えや修正を容易く順応されたいと医師先生は考えておられました。その対応策にオフィスの床のOAフロアのように床材を自由に取り外しが出来るようにしておく方法が良いと当初考えられました。

 →関連記事「工場事務所オフィスの家具配置とコンセント電気設備」

しかし診療室では床材をゴミチリや薬品が染み込まない様に、目地の無い表面が一体になっている塩化ビニール製シートを使用します。すると、OAフロアの様に自由に床材を取り外せることが出来ません。

そこで、あらかじめ追加の配線が予想される場所と場所を結ぶ様に、電線の入っていない樹脂製の電線用配管を床下に巡らせておき、その配管の末端を配線が予想される場所の壁に埋め込んで、将来に変更・追加される電線配線に対応出来る様に準備されました。

出入り口自動扉ガラス面に医院名サイン表示

医院の出入り口玄関は、共用通路に面しており、広いガラス面の自動ドア引戸です。

ガラス面の目線の高さには、クリニックのイメージカラーの上に白字でクリニック名が施されたシートが貼られました。そのシートの上下にすりガラス調のシートが貼られて、内側の全てが伺い知れない様にされました。

診察室のサイン

院内では、患者様の誘導案内のみサイン表示を取り付けられました。

可能な限り明確にするために、診察室の番号のみ表示され、各出入口の上に壁から突き出る様に番号表示を取付けられました。

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