医院クリニック内装建物は設計施工一括?分離?どちらが安心?

設計施工一括方式とは

医院クリニックの内装工事で、歯科器具メーカー様やハウスメーカー様が内装工事の設計と施工(工事)を一括受注する方法について、世の中ほとんどの製品を会社メーカーが独自で設計し、かつ製造しているのに、なぜ建物や内装は設計と施工(工事)を一括で行うといけないのかという素朴な疑問があります。

テレビ、カメラ、時計、コンピュータから自動車などの大きなものまで、会社メーカーによる設計から製造までのトータルな結果を商品として購入するのが普通です。建物や内装でも設計と施工を同じ会社が一括連続して行うことで、

  • 設計者と施工者が責任のなすり合いをして注文主が困るというような心配がない
  • 完全に設計が完了していなくても工事が開始できるので工期を短縮できる
  • 融資の紹介斡旋からテナント場所の誘致まで面倒を見る

など、様々なメリットが強調されます。

設計料は無料?

設計施工一括受注方式を行う会社では、設計料が無料になるというあり得ないキャンペーンもあるようです。

設計という仕事は診療と同じく人間がする仕事ですから、その人件費が無料になるはずが無いことは少し考えれば分かることです。見積書に無料と表記された設計料は、他の費用に紛れ込んでいるだけですが、あり得ないキャンペーンを当り前と信じる方も居られます。

一括方式のデメリット

設計施工一括受注方式のメリットは確かにあるかも知れません。しかしながら良いことばかりではありません。実は建物や内装やビルの設計施工一括方式には大きな落とし穴があるのです。

内装や建物が、賃貸ビルのある一区画部分や自分の敷地に建てられる大きな工作物であるという特殊性です。

一般の工業製品であれば、完成したものを見て、手に取ってみて気に入らなかったら買わないという選択肢もあります。

しかし契約内容に合っていない内装や建物の引き取りを拒否しても、借りている場所や自分の土地に建ってしまったモノの扱いは特殊です。金を払わない、解体してスケルトンや更地に戻せ、と言っても相手はそう簡単に引き下がることはないでしょう。賠償金を貰って手直しをして貰っても、完全に満足できることは先ず無いと考えるべきです。また、その間満足の行く診療も始まりません。

大会社なら、医院専門会社なら、滅多なことはないだろうと、頭から信用するのも危険です。

建築工事は往々にして別の会社に丸投げされることがあります。ひどい時には丸投げをされた業者が、さらに丸投げする場合があります。こういう丸投げの実態に気が付かず元請の業者が工事をしているとばかり思っていたのに、実は元請の人は最初に一度顔を出しただけで遂に最後まで来なかった・・・という例は多々あります。(会社が大きくなればなるほどその傾向は強いです)

このような丸投げの他に、工場生産と違って、建築工事を行う現場へ沢山の職人が集まって来るという作り方をする結果、色々な下請けが次々に入れ替わって工事を進めるという方式を採らざるを得ません。それらを一貫して全体の調和を取りながらコントロールして行くのは容易なことではないのです。

また、一括発注した会社が利益を得るということは、医師先生が損をしていることになります。企業である以上、利益の追求は必要ですが、有り余る利益を出されては、どんなに寛容な医師先生でも良い顔は出来ないでしょう。(ハウスメーカーと言われる会社は、工事金額の約4割をはじめに経費として確保し、残りの6割で造るとされています)

分離方式のメリット

他方、設計事務所は建築主である医師先生と契約し、開院のために医院クリニックの設計と工事中の品質監理を行います。当然、報酬は医師先生から頂くので、建築家は医師先生に対して誠実であり忠実でなければなりません。建築家は契約に従って医師先生の求める設計を終えたら、工務店選びの協力、引き続き工事の品質監理を行ないます。設計図の通りに工事が進んでいるか、品質をチェックします。

この品質のチェックで設計施工一括方式の場合、工事会社の自社の不都合を医師先生にわざわざ報告に行くことは有り得ないことです。

工事の品質監理をする者が建築家として工事会社から独立していれば、医師先生の立場に立って利益を守ることになります。他方、工事の品質監理をする者が施工会社の社員であれば会社の利益を守る義務があります。そのとき医師先生の利益と会社の利益が衝突し、施工会社の社員は悩んだ挙句に会社の利益を選ぶでしょう。

それでも予算に余裕があり、設計施工一括方式に何の疑問もなく信頼出来る方は設計施工一括の方式で医院クリニックを作れば宜しいと思います。

逆に

  • 手抜き工事をして欲しくない
  • 明朗会計が良い

という医師先生は、工事会社からお客様の利益を守る第三者として、設計事務所という役割を利用した方が良いでしょう。

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